社会問題ではなく、自分ごととして。

 肝炎は、薬害肝炎訴訟や注射針の使いまわしなど、大きな社会問題として取り上げられてきました。ウィルス検査が一般化される以前に輸血や血液製剤で感染したケースも多く、背景には様々な問題があり、それに対する意見もそれぞれだと思います。しかし、ここでは大きな社会問題としてではなく、皆さん一人ひとりの大きな“問題”として、肝炎とインターフェロン治療をご紹介します。

急性や劇症は激しい症状が出る。慢性だから自覚なく感染し進行する。

 肝炎は、肝臓が炎症を起こし、細胞が破壊されていく病気です。ウィルス性や薬剤性、アルコール性などの種類があり、日本では、多くがウィルス性肝炎と言われています。ウィルス性肝炎は、血液を介して感染します。輸血だけでなく、ピアスの穴あけや針治療、刺青などでの針の使い回しによる感染も少なくありません。また、ごくまれとされていますが、性感染症や母から子への産道感染もあります。
 肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、自覚症状がないまま長期にわたり軽度の肝障害が続き、本人が“なんとなく”と感じるときには、慢性肝炎になっていることがあります。そして肝硬変や肝がんを発症するかもしれません。

B型肝炎とC型肝炎

 ウィルス性肝炎には、A、B、C、D、E等の様々な型がありますが、慢性肝炎の多くは、B型やC型によるものです。この二種類の肝炎ウィルスに感染している人は、日本で300万人を越え、国内最大の感染症といわれています。B型およびC型肝炎は、慢性肝炎から、3~4割が肝硬変となり、さらに肝硬変の6~8割が肝がんを発症するので、病状に応じた適切な治療が勧められます。

インターフェロン治療

 インターフェロン治療とは、免疫系や炎症の調節等に作用する「インターフェロン」という薬を注射する療法です。肝炎ウィルスの量などで違いはありますが、B型肝炎であれば約30%、C型肝炎であれば約50%~90%の根治が可能といわれています。根治にいたらない場合でも、発がん率が低下するという報告もあります。
 治療効果がある一方で、強い副作用を伴うことがあり、将来の危険性と治療の効果を充分に検討した上で行われます。さらに、医療費がかなり高額になることも、大きな問題の一つです。

行政主導の肝炎対策と医療費助成

 こうした背景を受け、行政主導の肝炎対策が始まっています。石川県でも、肝炎対策協議会が設置され、肝疾患の診療連携拠点病院や専門医療機関などを選定することで、医療体制を整備し、総合的な対策を推進しています。(当院は、肝疾患専門医療機関に指定されています)
平成20年4月からは医療費の助成も始まり、平成27年3月までは、インターフェロン治療のうち保険適用になるものは、助成を受けることができます。詳細は石川県のホームページをご覧ください。
●肝炎ウイルス検査の医療機関委託について  ●肝炎治療に係る医療費助成について

申請に関するお問い合わせにも対応

 医療費の助成を受けるには、選定された医療機関による診断書が必要です。石川県では、当院を含めて47の選定医療機関があり(平成26年5月現在)、皆さんのお近くにも選定された病院があると思います。「自分は関係ない」。そう思わずに、様々な助成が受けられるうちに、とにかく検査と治療を受けましょう。
 なお当院では、助成を受けるための申請に必要な診断書の発行や、申請場所についての情報提供を行っています。